鉄分とは?体内での働きと摂取が必要な理由

パソコンの前に座った状態でおでこに両手を当てて下を向く女性

鉄分は私たちの健康維持に欠かせない重要なミネラルです。十分な鉄分摂取は、日々のエネルギー維持や貧血予防に役立ちます。鉄分の体内での働きやなぜ摂取が必要なのか、その種類や特徴について詳しく解説していきます。

貧血を防ぐ鉄分の重要性

鉄分の主な働きは、ヘモグロビンの主要成分として、全身に酸素を届けることです。鉄分が不足すると貧血を引き起こし、動悸や目まい、疲れやすさなどの症状が現れることがあります。

また鉄分は皮膚のコラーゲン生成や脳内の神経伝達物質の合成にも関わっており、不足すると肩こりや頭痛・注意力低下・イライラ感などの症状を引き起こすケースもあります。

これらの症状は単なる疲れと勘違いされがちですが、実は鉄分不足が原因かもしれません。日常生活の質を高め、健康を維持するためにも、意識的に鉄分を摂取することが大切です。

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

食品から摂取する鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は主に肉や魚などの動物性食品に含まれ、体内吸収率が10パーセント~30パーセントと高いのが特徴です。これに対し、野菜や穀類、豆類などに含まれる非ヘム鉄の吸収率はヘム鉄の1/5程度にとどまります。

吸収率に差が生じる理由は、ヘム鉄がタンパク質に包まれて存在しているからです。ヘム鉄は他の食品と一緒に摂取しても吸収が妨げられにくく、胃壁や腸管への負担も少なくなっています。一方、非ヘム鉄は小腸で吸収される過程で、食物繊維やタンニンなどから阻害を受けやすいという特性があります。

日本人が食事から摂取する鉄分の約80パーセント以上が吸収率の低い非ヘム鉄とされており、効率よく補給するには吸収率の高いヘム鉄を意識して取り入れることが重要です。ただしどちらかに極端に偏るのもよくありません。ヘム鉄と非ヘム鉄をバランスよく摂取し、ビタミンCと組み合わせるなどの工夫をすることで、鉄分の吸収効率を高められます。

1日の推奨摂取量

鉄分の必要摂取量は年齢や性別によって異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、18歳~64歳の女性(月経あり)では推奨量が10ミリグラム~10.5ミリグラム、月経のない女性では約6ミリグラムです。

妊婦の場合、妊娠初期では1日あたり約2.5ミリグラム、中期・後期では約8.5ミリグラムの追加摂取が必要です。また授乳中も2ミリグラム程度の付加量が推奨されています。男性は月経がないため女性と比べて必要量が少なく、18歳~64歳で7ミリグラム~7.5ミリグラムが推奨量です。

鉄分は不足すると貧血などの原因となりますが、過剰摂取も問題があります。サプリメントなどによる過剰な摂取は鉄沈着症のリスクを高めるため、食事からバランスよく摂取することが重要です。

(参考:『日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント|厚生労働省』)

鉄分を効率よく摂取するためのポイント

鉄鍋で煮込まれたアサリ

鉄分を効率よく摂取するためには、食材の組み合わせや調理方法などに工夫が必要です。ここからは、日々の食生活に取り入れやすいアイデアから、貧血予防に役立つテクニックまで、実践的なポイントを紹介します。

鉄分の吸収を高める食材と組み合わせる

鉄分を効率的に摂取するには、食材の組み合わせが重要です。ビタミンCとクエン酸は鉄分の吸収を促進する代表的な栄養素です。ビタミンCが豊富な食材としては、ブロッコリーや大根、レモンなどのかんきつ類、イチゴなどが挙げられます。

クエン酸を多く含む梅干しも鉄分の吸収を高める食品です。いわしの梅煮は、鉄分豊富ないわしと梅のクエン酸が相乗効果を発揮する理想的な組み合わせといえます。

タンパク質も非ヘム鉄の吸収を助ける効果があります。例えばホウレンソウと豚肉の炒め物はホウレンソウの非ヘム鉄と豚肉のタンパク質が組み合わさり、効率的に鉄分を摂取できる優れたメニューです。日常の食事でこれらの組み合わせを意識することで、同じ量の鉄分でもより多くを体内に取り込めるでしょう。

鉄分の吸収を妨げる食材との組み合わせを避ける

食材の中には、鉄分の吸収を妨げてしまうものがあります。特に注意したいのはタンニンを含む飲料で、コーヒーや緑茶、紅茶などが該当します。タンニンは鉄と結合して吸収率を低下させるため、食事中や食べ終わった直後は飲まないほうがよいでしょう。

カルシウムも鉄分の吸収を阻害する成分として知られています。牛乳やチーズなどの乳製品と鉄分豊富な食事を同時に取ると、鉄分の吸収効率が落ちてしまうため、時間をずらして摂取するのが効果的です。

インスタント食品やスナック菓子に含まれる食品添加物のリン酸ナトリウムも、鉄分の吸収を妨げます。鉄分を効率的に摂取したい日は、これらの加工食品の摂取を控えることをおすすめします。

手軽に鉄分が摂取できるよう調理方法を工夫する

忙しい毎日を送る中でも手軽に鉄分を摂取する方法として、調理器具の工夫があります。鉄鍋を使用すると、調理中に鉄分が溶け出すため、簡単に鉄分補給ができます。トマトや酢などの酸性食品と組み合わせると、溶け出す量が増えてより効率的です。

鍋に入れて煮るだけで鉄分が溶け出す、便利グッズを利用してもよいでしょう。鉄鍋よりも安価で、扱いやすいのが魅力です。

鰹節・ゴマ・海苔などの鉄分豊富な乾物をストックしておくことも有効です。料理に少し加えるだけでよく、忙しい朝や疲れた夕方でも簡単に鉄分を補給できます。

サプリメントを活用する

食事だけで十分な鉄分を摂取することが難しい場合は、サプリメントの活用も選択肢のひとつです。特に月経のある女性は、鉄分が不足しやすいため検討する価値はあるでしょう。摂取のタイミングは食後がよいとされています。胃への負担を考慮すると、空腹時よりも食後のほうが安全で継続しやすいでしょう。

また、1日の推奨量を朝・昼・夕と分けて取ると、一度に大量摂取するよりも吸収効率が高まります。注意点として、コーヒーや緑茶などのタンニンを含む飲み物とは一緒に取らないようにしましょう。

なお、亜鉛・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルサプリメントとの併用は時間をずらすことが望ましいとされています。サプリメントは即効性があるものではないため、数か月は継続して効果を見極めることが大切です。

鉄分が豊富な食べ物

ザルの上に乗せられた小松菜

鉄分不足の解消に役立つ食べ物を紹介します。ヘム鉄を含む動物性食品と非ヘム鉄を含む植物性食品について、それぞれ具体的な食材と鉄分含有量、効率的な摂取方法をチェックしましょう。

ヘム鉄を含む動物性食品

ヘム鉄を多く含む動物性食品の代表格として、まず注目したいのがアサリの缶詰です。可食部100グラムあたり約30ミリグラムもの鉄分を含んでいます。

他の魚介類では、カタクチイワシの煮干しが100グラムあたり18ミリグラムと高い含有量を誇ります。シジミの水煮も15ミリグラムと優れた鉄分源です。

肉類ではレバーが鉄分が豊富な食材として知られています。豚スモークレバーには、100グラムあたり20ミリグラムが含まれます。日常的に取り入れやすい食材として、牛肉の赤身部分やコンビーフなどもおすすめです。

(参考:『食品成分データベース|文部科学省』)

非ヘム鉄を含む植物性食品

非ヘム鉄は、がんもどきや小松菜、納豆などに豊富に含まれています。小松菜は100グラムあたり2.8ミリグラムの鉄分を含み、ビタミンCも豊富なため、単体でも吸収率を高められます。

がんもどきは100グラムあたり3.6ミリグラム、納豆は3.3ミリグラムと、大豆の加工品も鉄分が豊富です。コンビニやスーパーでおかずを買うときに、小松菜や大豆製品を使ったメニューを選ぶと非ヘム鉄を効率的に摂取できるでしょう。

岩のり・焼きのりも鉄分が多く、保存がききます。朝食時などにすぐ食べられるよう、キッチンに常備しておくとよいでしょう。

(参考:『食品成分データベース|文部科学省』)

鉄分を豊富に含む食べ物を使ったおすすめレシピ

アサリとネギの小鉢

鉄分豊富な食材を生かした料理を取り入れることで、貧血予防や健康維持につながります。ここでは、日常生活に取り入れやすい簡単メニューから子どもも喜ぶおやつまで、鉄分不足を解消するためのレシピを紹介します。

鉄分たっぷり簡単レシピ

忙しい毎日を送る人でも手軽に鉄分を摂取できる簡単レシピとして「厚揚げと小松菜のゆず風味」を紹介します。2人分の作り方は以下の通りです。

・厚揚げ2枚に熱湯を回しかけ、ひと口大に切る
・小松菜1/2束を5センチメートル程度の長さに切る
・長ネギ1/3本を斜め切りにする
・鍋に顆粒和風だし小さじ1/2・水100ミリリットル・みりん小さじ2・しょうゆ大さじ2/3・塩1グラムを入れ、厚揚げを煮る
・野菜を入れ、水分が減るまで炒め、ゆずの皮の千切りを添える

ゆずの皮がないときは、ポン酢をかけてもよいでしょう。

他にも、アサリのクラムチャウダーも、鉄分と野菜のビタミンCを同時に取れるおすすめメニューです。また赤身牛肉の卵とじ丼は、タンパク質を豊富に取れる上に簡単に作れるので、覚えておくとよいでしょう。

子どもも喜ぶ鉄分補給おやつ

鉄分は工夫次第で、おやつからも補給できます。子どもも喜びそうなおやつレシピや、市販のお菓子をチェックしておきましょう。

クッキーなどのお菓子を作るときに、黒ゴマやきな粉を加えたり、牛乳を豆乳に変えたりするだけでも、鉄分補給に役立ちます。いつものヨーグルトに、ドライフルーツやアーモンドを入れてもよいでしょう。

手作りが難しいときは、市販のお菓子も活用できます。小魚せんべいやごまスティックなどは手軽に鉄分が取れる優秀な選択肢です。

最近では鉄分を強化したお菓子タイプの食品も多く販売されています。ただしおやつはあくまで補食のため、1日2回程度を目安に、食べ過ぎないようにしましょう。

鉄分補給におすすめのサプリメントと食べ物

皿に乗ったサプリメントとナイフとフォーク

鉄分不足に悩む人に、効率的に鉄分を補給できるサプリメントと食べ物を紹介します。それぞれの特徴や効果的な摂取方法も解説するので、自分に合った方法を見つける参考にしてみてください。

高品質ヘム鉄100パーセント「美めぐり習慣」

「美めぐり習慣」は、鉄分不足に悩む女性のために開発された、高品質ヘム鉄100パーセント配合のサプリメントです。鉄分の吸収を高めるビタミンCや女性にうれしい葉酸も配合されており、栄養面でのサポートも充実しています。

小粒で飲みやすく設計されているため、毎日の継続が苦になりません。1日5粒を目安に水またはお湯で摂取するだけで、手軽に鉄分補給ができます。ヘム鉄100%使用のため、非ヘム鉄サプリメントに比べて胃への負担が少なく、食後に摂取することでさらに胃にやさしく鉄分を補給できるでしょう。

心とカラダのリズムを整える「ベルタママリズム」

毎日、家事・育児・仕事に奮闘し、「モヤモヤ・イライラ」を感じる産後・育児期のママのために開発された、リズムケアサプリメントです。

ママに不可欠な鉄分、めぐりをサポートするクリルオイル、リラックス成分GABAをトリプル配合。不足しがちな栄養を効率よく届け、心とカラダのリズムを整え、活力をチャージします。 7年連続売上No.1を達成し、300以上の自治体や産後ケアセンターでも採用されています。

さらに、助産師や管理栄養士などの専門家による無料相談サポートも付いており、ママの毎日をトータルで応援します。

低カロリーで高タンパク「熊本馬刺し」

熊本の馬刺しは、鉄分補給の優れた選択肢です。馬肉には100グラムあたり4.3ミリグラムの鉄分が含まれています。刺身として生食できるため、加熱による栄養素の損失も最小限に抑えられます。

鉄分が豊富なだけでなく、低カロリー・高タンパク・低脂質という栄養バランスの良さも特徴です。100グラムあたり約102キロカロリーと、鶏むね肉並みの低カロリーながら、20.1グラムのタンパク質を含んでいます。脂質も2.5グラムと少なく、ダイエット中や筋トレ中の人にも適した食材といえるでしょう。

まとめ

さまざまな食材の横に置かれた書類をチェックする人

鉄分は貧血予防に欠かせない栄養素であり、吸収率の高いヘム鉄と低い非ヘム鉄の2種類があります。効率よく摂取するには、ビタミンCやクエン酸を含む食品との組み合わせが効果的で、逆にタンニンやカルシウムを含む食品との同時摂取は避けたほうがよいでしょう。

レバーやアサリなどの動物性食品、小松菜や納豆などの植物性食品から摂取できますが、鉄の調理器具の活用やサプリメントの併用も有効な手段です。

料理やおやつに鉄分豊富な食材を取り入れることで、忙しい日常でも継続的に鉄分を補給できます。年齢や性別に応じた摂取量に注意し、ライフステージに合わせた補給を心がけましょう。